猫の留守番は何日までか。ネットで調べると「2泊3日まで」という数字がよく出てきます。ただ、この数字だけを持って出かけると危ないことがあります。
実際に限界を決めているのは猫の我慢強さではなく、家の設備が何日持つかだからです。ここでは日数の考え方と、詰まりやすい場所を順に整理します。
「何日まで」を決めているのは猫ではなく家です
猫は環境の変化を嫌う動物なので、ペットホテルに預けるより自宅に置くほうがストレスが小さい場合があります。ここまではよく言われるとおりです。
問題は、自宅に置くという判断が「家が正常に動き続ける」という前提の上に乗っていることです。給水器が倒れる、自動給餌器が詰まる、エアコンが止まる、猫がリモコンを踏む。どれも珍しい事故ではありません。そして猫は、そのどれ一つ自分では直せません。
つまり考えるべきは「猫が何日耐えられるか」ではなく、「何かが壊れてから、誰かが気づくまで何時間かかるか」です。この時間が短いほど、留守番できる日数は伸びます。
1泊と2泊の間には、日数以上の差があります
1泊2日と2泊3日は、数字の上では1日違いです。しかし中身はかなり違います。
1泊の場合、出発が昼で帰宅が翌日の夕方なら、猫が一人でいるのは実質30時間ほど。そして「誰も家に入らない丸一日」は存在しません。
2泊になると、まるまる誰も来ない日が1日生まれます。ここで質が変わります。前日の夜に起きた不具合が、発見されるまで丸一日以上放置されるからです。
| 日数 | 誰も入らない完全な日 | 現実的な判断 |
|---|---|---|
| 1泊2日 | なし | 準備が整っていれば多くの猫で可能 |
| 2泊3日 | 1日 | 可能だが、途中で1回の見回りがあると安心度が変わる |
| 3泊4日 | 2日 | 見回りなしは勧められません |
| 4日以上 | 3日以上 | ペットシッターか預かりを検討してください |
境目は日数そのものではなく、途中で人が入るかどうかです。2泊でも1回誰かが見に来るなら、実質は1泊を2回繰り返すのに近くなります。
シルバーウィークや年末年始のように日数が先に決まっていて、しかも預け先まで混む場合は、判断と準備の順番そのものが変わります。連休に特有の段取りは連休中の猫の留守番にまとめました。
詰まりやすいのは、この4か所です
どれも「起きてから猫が自分で直せない」種類の問題です。影響の大きい順に見ていきます。
1. 水は器を分けて複数用意する
いちばん最初に問題になるのが水です。器がひとつだと、倒された時点で終わります。置き場所を分けて複数用意するのが基本で、これは器の数を増やすだけなので今日からできます。
循環式の給水器を使う場合は、留守番の前に必ず一度掃除して、満水にしてから出てください。出発前の掃除を飛ばすと、留守番中にぬめりが進み、帰宅時に猫が飲まなくなっていることがあります。分解して洗う場所と頻度は猫用給水器のお手入れにまとめています。
Aqua Bot 2.0(フィルター不要の猫用自動給水器)を選んでいるのは、留守番中に交換フィルターが目詰まりする心配がないためです。ただし機械である以上は止まる可能性があるので、給水器だけに一本化せず、普通の器も併用してください。
2. 食事は一度に食べ切れない仕組みにする
ドライフードを山盛りにして出かけると、猫によっては初日に食べ切ります。早食いする猫では吐き戻しの原因にもなります。
スーパーマンフードディスペンサー(早食い防止知育フィーダー)のように、転がさないと出てこないタイプにすると、食べる速度が落ちて分散します。ただし留守番当日に初めて使うのはやめてください。使い方が分からず食べられないまま終わります。1週間前から使って、確実に出せるようになってから本番に使います。
3. 室温はリモコンとドアの固定まで
夏の留守番でいちばん危険なのがここです。エアコンをつけたまま出ても、リモコンを猫が踏んで設定が変わる、ブレーカーが落ちる、といったことが実際に起きます。
- リモコンは猫の届かない場所にしまう
- 設定温度は低めに固定し、タイマーは使わない
- 直射日光が入る部屋のカーテンは閉めておく
- ドアが閉まって空調の効かない部屋に閉じ込められないよう、扉はストッパーで固定する
最後の一つは見落とされがちです。風でドアが閉まり、涼しい部屋から締め出されるのが夏の事故で多いパターンです。
4. 退屈は前もって慣らしておく
水・食事・室温が確保できていれば命の問題にはなりませんが、退屈は粗相や過剰なグルーミングにつながることがあります。
窓から外が見える場所を確保しておく、いつも遊んでいるおもちゃを1つ出しておく、といった準備で変わります。YoYo Chase(自動昇降式猫用おもちゃ)のような自動で動くタイプを使う場合は、充電コードを必ず抜き、部品のゆるみを確認してから出てください。無人の家で長時間動かし続ける前提の道具ではありません。留守番中でも遊べる状態にしておきたい場合は、日ごろからひとり遊びに慣らしておくと、当日いきなり置くより機能します。
留守番が4日以上になるときは
ここははっきり書きます。4日以上家を空けるなら、ペットシッターか預かりを検討してください。設備をどれだけ整えても、故障に気づく人がいない状態が3日以上続くのは別のリスクです。
選択肢は3つあります。
- ペットシッターに来てもらう。猫が環境を変えずに済むので、多くの猫にとって負担が小さい方法です。初回は打ち合わせが必要なので、早めに手配してください。
- 知人に見回りを頼む。毎日でなくても、水とトイレを確認してもらえるだけで状況が変わります。
- ペットホテルや動物病院に預ける。環境は変わりますが、人の目が常にあります。持病がある猫では、動物病院での預かりが選択肢になります。
預ける場合は移動が必要になります。キャリーバッグは、当日いきなり入れようとしても入りません。数日前から部屋に置いて、中で寝る状態を作ってから使ってください。
こういうときは獣医師へ
留守番の前後で次のような様子があるときは、留守番の準備の話ではありません。
- おしっこの回数が減っている、または何度もトイレに行くのに出ていない
- 水をほとんど飲んでいない
- 食欲がない状態が続いている
- 持病があり、投薬が必要
留守番のための備えは室内猫の必需品にまとめています。なお、とくにおしっこが出ていない様子は、猫では緊急性が高いことがあります。留守番を予定している場合でも、こうした変化があるときは出発前に獣医師にご相談ください。持病のある猫を長く一人にする判断も、かかりつけの獣医師にご相談ください。
よくあるご質問
猫の留守番は何日までできますか?
準備が整っていれば1泊2日は多くの猫で可能、2泊3日は途中で一度見回りがあると安心度が上がります。3泊以上は見回りなしでは勧められず、4日以上ならペットシッターか預かりを検討してください。日数そのものより、途中で人が家に入るかどうかが分かれ目です。
水と餌を多めに置いておけば大丈夫ですか?
それだけでは足りません。器が倒れる、給水器が止まる、猫が初日に食べ切る、といったことが起こります。水は置き場所を分けて複数用意し、フードは一度に食べ切れない仕組みにしてください。
夏の留守番で気をつけることは?
室温です。エアコンをつけたまま出ても、猫がリモコンを踏む、ブレーカーが落ちるといったことがあります。リモコンは届かない場所にしまい、タイマーは使わず設定を固定してください。風でドアが閉まって涼しい部屋から締め出されないよう、扉の固定も忘れずに。
ペットホテルと自宅、どちらがいいですか?
猫は環境の変化を嫌うため、短期なら自宅のほうが負担が小さいことが多いとされています。ただし長期になると、人の目がある環境の価値が上がります。持病がある猫では動物病院での預かりも選択肢です。
自動給餌器や自動給水器があれば長く留守にできますか?
日数を延ばす道具ではなく、短期の留守番の質を上げる道具と考えてください。機械は止まることがあり、止まったことに気づく人がいなければ意味がありません。留守番当日に初めて使うのも避けてください。