猫が本当に喜ぶおもちゃは|好みのタイプ別の選び方

おもちゃ売り場で評判のいいものを選んだのに、家に持ち帰ると数分で飽きられた。次はもっと高いものを買ってみたが、結果は同じだった。これは飼い主の選び方が下手なのではなく、猫ごとに反応する動きが違うからです。

先に結論を書きます。おもちゃは値段や人気で選ぶのではなく、うちの猫が「どの動きに反応するか」で選ぶと当たる確率が上がります。反応する動きは大きく4タイプに分かれ、見分けるのに特別な道具はいりません。

猫が反応する動きは4つのタイプに分かれる

猫の狩りは相手によってやり方が変わります。地面の獲物と空の獲物では追い方が違い、その差がそのままおもちゃの好みに出ます。

タイプ もとになる獲物 よく出る仕草
追う ネズミなど地面を走るもの 低く伏せて、床を滑るように追う
飛びつく 鳥・虫など空を動くもの 後ろ足で立つ、前足で叩き落とす
ける 自分より大きい獲物 抱え込んで後ろ足で蹴る、噛む
くわえる 持ち運べる大きさの獲物 くわえて歩く、鳴きながら運ぶ

4つのどれかに完全に分かれるわけではなく、多くの猫は2つを併せ持ちます。狩りの流れ全体は猫の狩りのサイクルで説明しています。

うちの子がどのタイプか見分ける方法

買う前に、家にあるもので確かめられます。次の3つを別の日に試して、いちばん長く続いた動きが本命です。

  1. 床を這わせる。紐や靴下を床すれすれで引き、家具の陰にいったん隠します。伏せて追えば「追う」タイプです
  2. 宙で止める。同じものを目線より上でゆっくり揺らします。立ち上がって前足が出れば「飛びつく」タイプです
  3. 手前に置く。丸めた紙やぬいぐるみを猫の前に転がします。抱え込んで後ろ足が動けば「ける」タイプです

反応が薄いときは、時間帯を明け方か夕方に変えてもう一度試してください。空腹の前後で結果が変わる猫もいます。

「追う」タイプの猫に向くもの

床を不規則に走るもの、そして途中で止まって、また動き出すものが向きます。一定速度で回り続けるだけのものは、数回で動きを読まれて飽きられます。

隠れる場所を作ってやると持続時間が伸びます。ソファの下やカーテンの裾など、おもちゃが一瞬見えなくなる線を通してください。見失ってから探し当てる工程が入ると、猫にとっては別の遊びになります。

床材も効きます。フローリングだけの部屋では猫の側が滑って踏ん張れず、追う前に諦めることがあります。ラグを一枚敷いて助走できる直線を作るだけで、同じおもちゃの反応が変わることがあります。

「飛びつく」タイプの猫に向くもの

上下や左右に不規則に動くもの、羽根のように空気で軌道が変わるものが向きます。音の要素にも反応しやすく、ChirpBuddy(鳴く鳥のおもちゃ)のように鳴き声が出るタイプは、視覚だけで反応しない猫の入口になることがあります。

ただし着地の場所は確認してください。フローリングで滑る、テーブルの角がある位置で飛ばせると、着地の失敗が起きます。とくにシニアや体重の重い猫では、高さより「安全に降りられるか」を先に見てください。

高さの目安は、猫が立ち上がって前足が届くあたりです。届かない高さで動かし続けると見上げるだけで終わり、数回で興味が切れます。

「ける」タイプの猫に向くもの

抱え込める大きさと、後ろ足の力を受けても壊れない縫製が条件です。手を噛んでくる猫、腕に抱きついて蹴ってくる猫は、このタイプの遊びが足りていないことが多くあります。

不規則にはねるフロッピーフィッシュ Mini(動く魚)のように、抱え込めるサイズで自分から動くものは、追うと蹴るの両方を1つで満たせます。噛む力が強い猫では、縫い目と中身の出方を定期的に確認してください。

サイズは猫の胴体の半分から同じくらいまでが目安です。小さすぎると抱え込めず、大きすぎると後ろ足が届きません。またたび入りのものは反応が出やすい一方、約3割の猫はまたたびに反応しないため、それだけを選ぶ基準にしないでください。

「くわえる」タイプの猫に向くもの

軽くて口に入る大きさ、そして咀えても形が崩れないものが向きます。運んで飼い主の足元に置く行動が出やすいのもこのタイプです。

注意点は誤飲です。飲み込める大きさの部品、ほどける紐、外れやすい鈴は避けてください。運ぶ遊びは口に入れている時間が長く、他のタイプより事故が起きやすい遊び方です。

くわえて運んできたものを取り上げると、次から見えない場所に隠すようになります。持ってきたらその場で数回動かしてやり、遊びとして完結させるほうが行動が続きます。運ぶ先が水皿になる猫もいますが、これ自体は異常ではありません。

タイプが分からない・複数当てはまるとき

3つ試しても差が出ない猫、日によって反応が変わる猫はふつうにいます。その場合は1つを当てにいかず、種類の違うものを少数そろえて数日ごとに入れ替えるほうが早く答えが出ます。

最初から複数を試すなら、中身を選べるPlayPack(選べるおもちゃセット)のような組み合わせが無駄になりにくく、種類ごとの品ぞろえは猫のおもちゃにまとめています。

どのおもちゃが当たるかは個体差が大きく、実際に試してみないと分かりません。レビューの評価が高いものが、うちの猫に合うとは限りません。

好みは一生同じではない

子猫のうちは何にでも反応しますが、成猫になると得意な動きが絞られてきます。シニアになると飛びつく遊びは減り、床で完結する遊びに移ることが多くなります。

また、同じ猫でも「飽きた」ように見えるだけで好みが変わっていないこともあります。出しっぱなしで存在に慣れただけの状態と、動きが合っていない状態は原因が別です。この見分け方は猫がおもちゃに飽きたときの対処にまとめています。

こういうときは獣医師へ

好みの問題ではなく、体調が理由で遊ばなくなることもあります。次の様子があれば動物病院に相談してください。

  • これまで反応していた遊びに数日のあいだ反応せず、食欲や便の量も落ちている
  • 紐・リボン・羽根の芯・鈴を飲み込んだ可能性がある。これは緊急です。線状の異物は腸を傷つけるため、様子を見ずに受診してください
  • 遊んだあとに口を開けて呼吸している、呼吸の速さが戻らない。これも緊急です
  • 特定の足をかばう、ジャンプをやめた、着地で音が大きくなった
  • 噛む遊びを急にやめた、口を気にする、よだれが増えた
  • おもちゃを目で追えていない、何もない場所に飛びかかる

遊びの量をどこまで増やしてよいかは、年齢や持病によって変わります。判断に迷う場合はかかりつけの獣医師にご相談ください。

よくあるご質問

高いおもちゃほど猫は喜びますか?

価格と反応は比例しません。同じ猫でも、数千円の自動おもちゃより丸めた紙のほうが長く遊ぶことがあります。判断の基準は価格ではなく、猫が反応する動きに合っているかどうかです。

おもちゃは何個くらい持っておけばいいですか?

常時出すのは1つで十分です。ローテーション用に、動きの種類が違うものを2〜3個持っておくと飽きにくくなります。全部を同時に出すと、どれも家具と同じ扱いになります。

猫が好きなおもちゃのタイプは変わりますか?

変わります。子猫のうちは何にでも反応し、成猫で得意な動きが絞られ、シニアでは床で完結する遊びに移る傾向があります。半年から1年ごとに試し直すと、合うものが見つかりやすくなります。

猫じゃらしにしか反応しません

飼い主が動かす遊びが好きな猫では自然な反応です。ひとりで遊ぶ時間を増やしたい場合は、まず一緒に遊んで獲物だと覚えてもらい、そのあと自分で動くタイプに切り替える順番を踏んでください。

多頭飼いでもタイプ別に選ぶべきですか?

猫ごとに分けて用意するほうが取り合いが減ります。同じタイプのものを2つ置くより、追うタイプとけるタイプを1つずつ置くほうが、それぞれが自分の遊びに集中しやすくなります。

ブログに戻る