健康と季節
お月見のお供えと猫|団子・すすき・ユリの誤食に注意
9月25日は十五夜です。窓辺に月見団子とすすきを飾ったら、いつの間にか猫が近くに座っていた。お供えは、猫の目線からするとちょうど手が届く高さに並ぶことが多く、気になって前足を伸ばす猫は珍しくありません。 先に結論を書きます。お月見のお供えで特に気をつけたいのは、喉に詰まりやすい団子と、猫には少量でも危険なユリです。どちらも「猫が届かない場所に置く」だけで防げます。飾る前に、置き場所だけ決めておいてください。 お供えの中で、特に気をつけたい4つ お供え 何が心配か 置き方 月見団子 丸のみして喉に詰まる 猫が上がれない棚、または扉のある場所 ユリ(花瓶の花) 花・葉・花粉・花瓶の水まで危険 猫のいる家では飾らない すすき 葉のふちで口を切る、食べて吐く 倒れない花瓶で、手の届かない高さに ぶどう 少量でも体調を崩すおそれ 皿ごと片づける このうち、ユリだけは「置き場所に気をつける」では足りません。理由は次の項目で書きます。 月見団子は「喉に詰まる」が一番の心配です 猫は食べ物をあまり噛まずに飲み込みます。団子や餅のようにやわらかく粘りのあるものは、喉に張りつきやすい形です。味よりも形の問題なので、小さくちぎれば安全というわけでもありません。 団子そのものに猫が強く惹かれることは多くありませんが、お皿の上で転がる丸いものは遊びの対象になります。前足で落として、そのままくわえる流れは起きやすいので、猫が上がれる窓辺には置かないのがいちばん確実です。 すすきと秋の花:ユリだけは別格に危険です すすきは強い毒があるわけではありませんが、葉のふちが硬く、噛むと口の中を切ることがあります。細長く揺れる穂はおもちゃに見えやすく、食べて吐く猫もいます。噛みたがる猫には、またたびデンタルスティックのように噛んでいいものを別に用意しておくと、そちらに気が向きやすくなります。噛んでいいおもちゃの選び方は猫が噛んでいいおもちゃにまとめています。 一方、ユリの仲間は、花・葉・花粉、花瓶の水まで猫にとって危険とされています。体についた花粉を毛づくろいでなめるだけでも問題になることがあるため、置き場所の工夫では防ぎきれません。お月見の花束にユリが入っていたら、猫のいる部屋には飾らないでください。 ぶどう・里芋など、ほかのお供え ぶどう。犬では腎臓への影響がよく知られていて、猫でも与えないよう勧められています。原因がはっきり分かっていないため、量の目安もありません。 里芋(衣かつぎ)。生の里芋は口の中を刺激します。加熱したものでも、猫に与える理由はありません。 お酒。お月見酒をこぼしたままにしないでください。少量でも猫には負担になります。 共通する対策は一つで、お月見が終わったら、その日のうちに全部片づけることです。夜中に猫がひとりで確かめに行くのを防げます。...
お月見のお供えと猫|団子・すすき・ユリの誤食に注意
9月25日は十五夜です。窓辺に月見団子とすすきを飾ったら、いつの間にか猫が近くに座っていた。お供えは、猫の目線からするとちょうど手が届く高さに並ぶことが多く、気になって前足を伸ばす猫は珍しくありません。 先に結論を書きます。お月見のお供えで特に気をつけたいのは、喉に詰まりやすい団子と、猫には少量でも危険なユリです。どちらも「猫が届かない場所に置く」だけで防げます。飾る前に、置き場所だけ決めておいてください。 お供えの中で、特に気をつけたい4つ お供え 何が心配か 置き方 月見団子 丸のみして喉に詰まる 猫が上がれない棚、または扉のある場所 ユリ(花瓶の花) 花・葉・花粉・花瓶の水まで危険 猫のいる家では飾らない すすき 葉のふちで口を切る、食べて吐く 倒れない花瓶で、手の届かない高さに ぶどう 少量でも体調を崩すおそれ 皿ごと片づける このうち、ユリだけは「置き場所に気をつける」では足りません。理由は次の項目で書きます。 月見団子は「喉に詰まる」が一番の心配です 猫は食べ物をあまり噛まずに飲み込みます。団子や餅のようにやわらかく粘りのあるものは、喉に張りつきやすい形です。味よりも形の問題なので、小さくちぎれば安全というわけでもありません。 団子そのものに猫が強く惹かれることは多くありませんが、お皿の上で転がる丸いものは遊びの対象になります。前足で落として、そのままくわえる流れは起きやすいので、猫が上がれる窓辺には置かないのがいちばん確実です。 すすきと秋の花:ユリだけは別格に危険です すすきは強い毒があるわけではありませんが、葉のふちが硬く、噛むと口の中を切ることがあります。細長く揺れる穂はおもちゃに見えやすく、食べて吐く猫もいます。噛みたがる猫には、またたびデンタルスティックのように噛んでいいものを別に用意しておくと、そちらに気が向きやすくなります。噛んでいいおもちゃの選び方は猫が噛んでいいおもちゃにまとめています。 一方、ユリの仲間は、花・葉・花粉、花瓶の水まで猫にとって危険とされています。体についた花粉を毛づくろいでなめるだけでも問題になることがあるため、置き場所の工夫では防ぎきれません。お月見の花束にユリが入っていたら、猫のいる部屋には飾らないでください。 ぶどう・里芋など、ほかのお供え ぶどう。犬では腎臓への影響がよく知られていて、猫でも与えないよう勧められています。原因がはっきり分かっていないため、量の目安もありません。 里芋(衣かつぎ)。生の里芋は口の中を刺激します。加熱したものでも、猫に与える理由はありません。 お酒。お月見酒をこぼしたままにしないでください。少量でも猫には負担になります。 共通する対策は一つで、お月見が終わったら、その日のうちに全部片づけることです。夜中に猫がひとりで確かめに行くのを防げます。...
シニア猫のケアは何歳から|爪・水・毛づくろい・遊びの見直し
去年まで飛び乗っていた棚に、今年は一度ためらってから上がる。呼んでも顔を上げるのが少し遅い。どこも悪くなさそうなのに、生活のあちこちが少しずつ変わってきた気がする。敬老の日が近づくこの時期は、家の中を見直すのにちょうどいいタイミングです。ここでは、シニア期に入った猫のために何歳から、何を変えるのかを、爪・水・毛づくろい・遊びの四つに絞って整理します。先に結論を書きます。変えるのは猫のほうではなく、環境と手順のほうです。今までと同じことを、届く高さ・短い時間・多い回数に組み直すだけで、たいていは足ります。「何歳からシニア」に決まった線はありません最初にはっきりさせておきます。「何歳からシニア」に決まった線はありません。7〜11歳は幅があり、年齢より個体差と持病の有無で決まります。同じ10歳でも、若い猫と変わらない子もいれば、7歳から明らかに動きが変わる子もいます。ですから「◯歳になったから全部変える」ではなく、下の変化が出てきたら、その項目だけ変えると考えてください。 気づいた変化 見直す項目 高い所に一度ためらってから上がる 段差・寝る場所 爪が引っかかる音が増えた 爪を切る間隔 水を飲みに行く回数が減った 器の位置と数 背中や腰の毛がもつれる ブラッシングの担当範囲 遊びが1分で終わる 遊びの長さと高さ 見直すのは能力ではなく、環境のほうシニア期の変化は、できなくなったというより「やるのに前より手間がかかるようになった」という形で出ます。飛べないのではなく、飛ぶ前に一拍考える。飲まないのではなく、わざわざ台所まで行くのが面倒になる。だから対策も、手間を減らす方向で組みます。距離を短く、段差を低く、回数を増やす。この三つが、以下すべての項目に共通します。爪:切る間隔を短くするシニア猫でいちばん先に表面化しやすいのが爪です。爪とぎに行く回数が減って古い層がはがれにくくなり、動きが減って自然に削れる量も落ちるためです。結果として爪は厚く、丸く巻いていきます。放っておくと肉球に向かって伸びて食い込むことがあるので、若いころと同じ間隔では間に合いません。三〜四週間おきだった猫なら、二〜三週間おきに前倒しします。一度に全部切る必要はありません。前足だけ今日、後ろ足は数日後、で十分です。切る長さの考え方は猫の爪はどこまで切るかにまとめています。深爪が怖いなら、ガード付きのSafeTrim セーフトリム(猫用爪切り)のようなタイプだと手が止まりにくくなります。抱え方も変えます。関節が硬くなった猫を持ち上げて固定すると、爪より先に姿勢のほうを嫌がります。寝ている場所に人が行き、体勢を変えずに前足だけ借りるのが基本です。水:器の位置と数を増やす飲む量が減るのは、のどが渇かなくなったからとは限りません。水飲み場までの移動そのものが面倒になっていることがあります。寝床から台所まで往復するのが億劫なだけ、という場合もあります。やることは単純で、器を増やして、猫がよくいる場所の近くに置きます。寝床のそば、日中いる窓辺、トイレの動線上。数を増やすほうが、種類を変えるより効きます。ひげが当たるのを嫌う猫では、口の広い浅めの器に替えるだけで飲む時間が延びることもあります。流れる水を好む猫ならAqua Bot 2.0(フィルター不要の猫用給水器)もありますが、器を変えれば必ず飲むわけではありません。器を増やすと手入れの手間も増えます。ぬめりが出た器は猫のほうが先に避けるので、猫の給水器のお手入れの頻度は、数を増やした分だけ意識して守ってください。毛づくろい:届かない場所を人が引き受ける年齢が上がると、体をひねる動作が減ります。すると背中の真ん中から腰、しっぽの付け根という、もともと届きにくかった場所から順に手入れが行き届かなくなります。もつれや毛玉ができるのはたいていこの三か所です。ここは人が引き受ける部分です。全身をとかす必要はなく、届かない場所だけを短時間で。背中側は顔まわりより受け入れられやすい傾向があります。力を入れてほぐそうとしないでください。皮膚が薄くなっている猫では、強くとかすこと自体が痛みになります。すでに固まった毛玉は無理に引かず、切るか、受診してください。道具は3in1 スチーミーペットブラシのように毛を絡め取りながらとかせるタイプが扱いやすく、種類は猫のグルーミング用品にまとめています。遊び:短く、低く、回数で補う遊ばなくなったのではなく、続かなくなっただけ、という場合がほとんどです。10分を1回より、2分を3回。これがシニア期の基本形です。おもちゃの動かし方も変えます。頭より上で振ると、見上げる姿勢が首と腰に負担になります。床すれすれを、ゆっくり、猫の目の前を横切るように動かしてください。飛びつかせるより、前足で押さえる動きで終われれば成功です。 1回2〜3分、1日3回を目安にする 高さは床から30センチまで 速く動かさず、止める時間を長く取る 前足が出たら、そこで捕まえさせて終わる 遊びをやめてしまうと、動く量がさらに減ります。短くても回数を残すことに意味があります。段差とトイレと、寝る場所家の中でシニア猫がいちばん困るのは高さです。お気に入りの場所に行けなくなっても、猫は代わりの場所を探してはくれません。途中に踏み台を一段入れるだけで解決することがよくあります。ソファ、窓辺、キャットタワーの一段目。登れなくなった場所を減らすのではなく、間を埋めると考えてください。トイレは、入口の高い箱だとまたぐのが負担になります。片側が低いものに替えるか、数を増やして寝床の近くにも置きます。寝る場所は、床に近く、風の当たらない場所を一つ確保してください。変えないほうがいいものここは逆方向の話です。家具の配置やトイレの場所を一度に大きく変えるのは避けてください。見え方や聞こえ方が変わってきている猫にとって、覚えた配置は移動の手がかりそのものです。変えるなら一か所ずつ、前の場所をしばらく残したまま。フードの切り替えも数日から一週間かけてください。年に一度、決まった日に見直すシニア期の変化はゆっくり進むので、毎日見ている人ほど気づきません。だから「見直す日」を決めてしまうほうが確実です。敬老の日のように毎年めぐってくる日は、その目印として使えます。 体重を量って、去年の数字と比べる 爪を全部見て、巻きと厚みを確認する 背中と腰をなでて、もつれがないか確かめる 水飲み場の数と位置を見直す よく行く場所までの段差を確認する この五つをやっておくと、次に病院へ行くときに伝えられることが具体的になります。こういうときは獣医師へ次のような変化は、年のせいと片づけずに受診の目安にしてください。ここに挙げるのはあくまで「相談するきっかけ」で、原因を家庭で判断するためのものではありません。 水を飲む量やおしっこの量が、急に増えた・減った...
シニア猫のケアは何歳から|爪・水・毛づくろい・遊びの見直し
去年まで飛び乗っていた棚に、今年は一度ためらってから上がる。呼んでも顔を上げるのが少し遅い。どこも悪くなさそうなのに、生活のあちこちが少しずつ変わってきた気がする。敬老の日が近づくこの時期は、家の中を見直すのにちょうどいいタイミングです。ここでは、シニア期に入った猫のために何歳から、何を変えるのかを、爪・水・毛づくろい・遊びの四つに絞って整理します。先に結論を書きます。変えるのは猫のほうではなく、環境と手順のほうです。今までと同じことを、届く高さ・短い時間・多い回数に組み直すだけで、たいていは足ります。「何歳からシニア」に決まった線はありません最初にはっきりさせておきます。「何歳からシニア」に決まった線はありません。7〜11歳は幅があり、年齢より個体差と持病の有無で決まります。同じ10歳でも、若い猫と変わらない子もいれば、7歳から明らかに動きが変わる子もいます。ですから「◯歳になったから全部変える」ではなく、下の変化が出てきたら、その項目だけ変えると考えてください。 気づいた変化 見直す項目 高い所に一度ためらってから上がる 段差・寝る場所 爪が引っかかる音が増えた 爪を切る間隔 水を飲みに行く回数が減った 器の位置と数 背中や腰の毛がもつれる ブラッシングの担当範囲 遊びが1分で終わる 遊びの長さと高さ 見直すのは能力ではなく、環境のほうシニア期の変化は、できなくなったというより「やるのに前より手間がかかるようになった」という形で出ます。飛べないのではなく、飛ぶ前に一拍考える。飲まないのではなく、わざわざ台所まで行くのが面倒になる。だから対策も、手間を減らす方向で組みます。距離を短く、段差を低く、回数を増やす。この三つが、以下すべての項目に共通します。爪:切る間隔を短くするシニア猫でいちばん先に表面化しやすいのが爪です。爪とぎに行く回数が減って古い層がはがれにくくなり、動きが減って自然に削れる量も落ちるためです。結果として爪は厚く、丸く巻いていきます。放っておくと肉球に向かって伸びて食い込むことがあるので、若いころと同じ間隔では間に合いません。三〜四週間おきだった猫なら、二〜三週間おきに前倒しします。一度に全部切る必要はありません。前足だけ今日、後ろ足は数日後、で十分です。切る長さの考え方は猫の爪はどこまで切るかにまとめています。深爪が怖いなら、ガード付きのSafeTrim セーフトリム(猫用爪切り)のようなタイプだと手が止まりにくくなります。抱え方も変えます。関節が硬くなった猫を持ち上げて固定すると、爪より先に姿勢のほうを嫌がります。寝ている場所に人が行き、体勢を変えずに前足だけ借りるのが基本です。水:器の位置と数を増やす飲む量が減るのは、のどが渇かなくなったからとは限りません。水飲み場までの移動そのものが面倒になっていることがあります。寝床から台所まで往復するのが億劫なだけ、という場合もあります。やることは単純で、器を増やして、猫がよくいる場所の近くに置きます。寝床のそば、日中いる窓辺、トイレの動線上。数を増やすほうが、種類を変えるより効きます。ひげが当たるのを嫌う猫では、口の広い浅めの器に替えるだけで飲む時間が延びることもあります。流れる水を好む猫ならAqua Bot 2.0(フィルター不要の猫用給水器)もありますが、器を変えれば必ず飲むわけではありません。器を増やすと手入れの手間も増えます。ぬめりが出た器は猫のほうが先に避けるので、猫の給水器のお手入れの頻度は、数を増やした分だけ意識して守ってください。毛づくろい:届かない場所を人が引き受ける年齢が上がると、体をひねる動作が減ります。すると背中の真ん中から腰、しっぽの付け根という、もともと届きにくかった場所から順に手入れが行き届かなくなります。もつれや毛玉ができるのはたいていこの三か所です。ここは人が引き受ける部分です。全身をとかす必要はなく、届かない場所だけを短時間で。背中側は顔まわりより受け入れられやすい傾向があります。力を入れてほぐそうとしないでください。皮膚が薄くなっている猫では、強くとかすこと自体が痛みになります。すでに固まった毛玉は無理に引かず、切るか、受診してください。道具は3in1 スチーミーペットブラシのように毛を絡め取りながらとかせるタイプが扱いやすく、種類は猫のグルーミング用品にまとめています。遊び:短く、低く、回数で補う遊ばなくなったのではなく、続かなくなっただけ、という場合がほとんどです。10分を1回より、2分を3回。これがシニア期の基本形です。おもちゃの動かし方も変えます。頭より上で振ると、見上げる姿勢が首と腰に負担になります。床すれすれを、ゆっくり、猫の目の前を横切るように動かしてください。飛びつかせるより、前足で押さえる動きで終われれば成功です。 1回2〜3分、1日3回を目安にする 高さは床から30センチまで 速く動かさず、止める時間を長く取る 前足が出たら、そこで捕まえさせて終わる 遊びをやめてしまうと、動く量がさらに減ります。短くても回数を残すことに意味があります。段差とトイレと、寝る場所家の中でシニア猫がいちばん困るのは高さです。お気に入りの場所に行けなくなっても、猫は代わりの場所を探してはくれません。途中に踏み台を一段入れるだけで解決することがよくあります。ソファ、窓辺、キャットタワーの一段目。登れなくなった場所を減らすのではなく、間を埋めると考えてください。トイレは、入口の高い箱だとまたぐのが負担になります。片側が低いものに替えるか、数を増やして寝床の近くにも置きます。寝る場所は、床に近く、風の当たらない場所を一つ確保してください。変えないほうがいいものここは逆方向の話です。家具の配置やトイレの場所を一度に大きく変えるのは避けてください。見え方や聞こえ方が変わってきている猫にとって、覚えた配置は移動の手がかりそのものです。変えるなら一か所ずつ、前の場所をしばらく残したまま。フードの切り替えも数日から一週間かけてください。年に一度、決まった日に見直すシニア期の変化はゆっくり進むので、毎日見ている人ほど気づきません。だから「見直す日」を決めてしまうほうが確実です。敬老の日のように毎年めぐってくる日は、その目印として使えます。 体重を量って、去年の数字と比べる 爪を全部見て、巻きと厚みを確認する 背中と腰をなでて、もつれがないか確かめる 水飲み場の数と位置を見直す よく行く場所までの段差を確認する この五つをやっておくと、次に病院へ行くときに伝えられることが具体的になります。こういうときは獣医師へ次のような変化は、年のせいと片づけずに受診の目安にしてください。ここに挙げるのはあくまで「相談するきっかけ」で、原因を家庭で判断するためのものではありません。 水を飲む量やおしっこの量が、急に増えた・減った...
猫の歯磨きおやつは効果があるのか|噛ませ方とカロリーの目安
歯ブラシを口に入れようとすると全力で逃げる。それでも口臭は気になる。そういうときに手が伸びるのが、袋に「歯磨き」と書かれたおやつです。ただ、袋の表示だけでは、何がどこまで期待できるのか分かりません。先に結論を書きます。歯磨きおやつは「噛む時間が伸びて、歯の表面がこすれる」ぶんだけ効きます。だから、丸呑みされた時点で効果はほぼゼロになり、噛ませ方と量のほうが、商品選びより結果を左右します。本記事は、その噛ませ方と量に絞って書きます。歯磨きおやつで変わること、変わらないことまず線を引いておきます。おやつタイプは歯垢の付着を遅らせますが、すでに付いた歯石は取れません。歯石は動物病院でしか除去できません。歯垢は、食べかすと細菌がやわらかく固まったものです。ここは、こすれば落ちます。それが数日置かれると唾液中のミネラルと結びついて硬い歯石になり、こうなると噛んでも削れません。おやつが働けるのは、前者の段階だけです。逆にいえば、すでに歯石が付いている口では、おやつを増やしても見た目は変わりません。変わらないからと量を増やすのは、いちばん避けたい失敗です。効くとしたら、どの仕組みで効くのか歯磨きおやつがうたう働きは、大きく二つに分かれます。どちらを狙った商品なのかで、選び方も与え方も変わります。 物理的にこする:硬さと形で、噛んだときに歯の面をこすらせるタイプ。噛む回数がそのまま効果になります。 成分で歯垢を付きにくくする:唾液中のミネラルと結びつく成分などを配合し、歯垢が固まるまでの時間を延ばすタイプ。噛まずに飲み込んでも一定の意味はありますが、変化はゆっくりです。 猫の場合、犬より噛む回数が少なく、そもそも丸呑みしがちです。「硬いほど効く」ではなく「その子が実際に噛む硬さがいちばん効く」と考えてください。形と硬さで、効き方はこう変わる同じ「歯磨きおやつ」でも、形状によって向き不向きがはっきり分かれます。 タイプ 噛む時間 向いている猫 注意点 細長いスティック・木 長い 噛むのが好き、遊びながら続く子 飽きると放置される。奥歯に当たらない持ち方をすることがある 粒タイプ(カリカリ状) 短い おやつとして食べる習慣がある子 丸呑みされやすい。粒が小さいほど効果は落ちる やわらかいペースト・シート状 ほぼなし 硬い物を嫌う子、シニア こする力はほぼない。成分頼みになる 迷ったら、いま食べているおやつより一段だけ噛みごたえのあるものから試すのが安全です。急に硬いものへ変えると、まったく口をつけないか、逆に歯を痛めることがあります。カロリーと、一日に与えていい量ここが見落とされがちです。おやつ全体の目安は一日の総カロリーの一割までとされます。体重4キロの成猫なら一日およそ200キロカロリー前後なので、おやつの枠は20キロカロリーほどです。歯磨きおやつは一本あたり2〜10キロカロリー程度の商品が多く、これだと二本から数本で枠が埋まります。「歯のためだから」と別枠で足すと、体重が増えます。与えるぶんだけ主食を減らすのが原則です。体重管理中の猫では、枠を使い切ってまで続ける価値があるかを一度考えてください。歯みがきシートを一日おきに使うほうが、カロリーをかけずに済むこともあります。丸呑みする猫に、どう与えるか丸呑みされてしまうと、こする効果は消えます。次の順で試してみてください。 手で持って、端だけをくわえさせる。持っている間は飲み込めません。 横向きに差し出し、奥歯で受け取らせる。前歯だけで受け取ると、そのまま飲み込まれます。 空腹すぎるタイミングを避ける。食事の直後より、食間のほうが落ち着いて噛みます。 それでも飲み込むなら、噛む時間の長いおもちゃ型に切り替える。 噛む時間を伸ばす方向で考えるなら、おやつではなくおもちゃ側で解決する手もあります。どこまで期待できるかは 猫が噛んでいいおもちゃ|デンタル効果のあるものとないもの にまとめています。歯みがきと併用すると、どうなるかおやつは歯みがきの代わりにはなりませんが、入口としては役に立ちます。口の周りを触られること自体に慣れていない猫では、おやつを手で持って与える時間が、そのまま口元に触る練習になります。実際の進め方は、おやつを持つ手と反対の手で、頬をそっと触るところから始めます。これが嫌がられなくなったら、指、次にシート、最後にブラシ、という順です。段階の踏み方は 猫の歯磨きのやり方 で詳しく書いています。逆に、おやつだけを続けて歯みがきに進まないと、数か月後には歯石が増えて、結局は病院での処置になります。おやつは時間を稼ぐ手段であって、ゴールではありません。買う前に確認することパッケージで確認したいのは、次の四点です。...
猫の歯磨きおやつは効果があるのか|噛ませ方とカロリーの目安
歯ブラシを口に入れようとすると全力で逃げる。それでも口臭は気になる。そういうときに手が伸びるのが、袋に「歯磨き」と書かれたおやつです。ただ、袋の表示だけでは、何がどこまで期待できるのか分かりません。先に結論を書きます。歯磨きおやつは「噛む時間が伸びて、歯の表面がこすれる」ぶんだけ効きます。だから、丸呑みされた時点で効果はほぼゼロになり、噛ませ方と量のほうが、商品選びより結果を左右します。本記事は、その噛ませ方と量に絞って書きます。歯磨きおやつで変わること、変わらないことまず線を引いておきます。おやつタイプは歯垢の付着を遅らせますが、すでに付いた歯石は取れません。歯石は動物病院でしか除去できません。歯垢は、食べかすと細菌がやわらかく固まったものです。ここは、こすれば落ちます。それが数日置かれると唾液中のミネラルと結びついて硬い歯石になり、こうなると噛んでも削れません。おやつが働けるのは、前者の段階だけです。逆にいえば、すでに歯石が付いている口では、おやつを増やしても見た目は変わりません。変わらないからと量を増やすのは、いちばん避けたい失敗です。効くとしたら、どの仕組みで効くのか歯磨きおやつがうたう働きは、大きく二つに分かれます。どちらを狙った商品なのかで、選び方も与え方も変わります。 物理的にこする:硬さと形で、噛んだときに歯の面をこすらせるタイプ。噛む回数がそのまま効果になります。 成分で歯垢を付きにくくする:唾液中のミネラルと結びつく成分などを配合し、歯垢が固まるまでの時間を延ばすタイプ。噛まずに飲み込んでも一定の意味はありますが、変化はゆっくりです。 猫の場合、犬より噛む回数が少なく、そもそも丸呑みしがちです。「硬いほど効く」ではなく「その子が実際に噛む硬さがいちばん効く」と考えてください。形と硬さで、効き方はこう変わる同じ「歯磨きおやつ」でも、形状によって向き不向きがはっきり分かれます。 タイプ 噛む時間 向いている猫 注意点 細長いスティック・木 長い 噛むのが好き、遊びながら続く子 飽きると放置される。奥歯に当たらない持ち方をすることがある 粒タイプ(カリカリ状) 短い おやつとして食べる習慣がある子 丸呑みされやすい。粒が小さいほど効果は落ちる やわらかいペースト・シート状 ほぼなし 硬い物を嫌う子、シニア こする力はほぼない。成分頼みになる 迷ったら、いま食べているおやつより一段だけ噛みごたえのあるものから試すのが安全です。急に硬いものへ変えると、まったく口をつけないか、逆に歯を痛めることがあります。カロリーと、一日に与えていい量ここが見落とされがちです。おやつ全体の目安は一日の総カロリーの一割までとされます。体重4キロの成猫なら一日およそ200キロカロリー前後なので、おやつの枠は20キロカロリーほどです。歯磨きおやつは一本あたり2〜10キロカロリー程度の商品が多く、これだと二本から数本で枠が埋まります。「歯のためだから」と別枠で足すと、体重が増えます。与えるぶんだけ主食を減らすのが原則です。体重管理中の猫では、枠を使い切ってまで続ける価値があるかを一度考えてください。歯みがきシートを一日おきに使うほうが、カロリーをかけずに済むこともあります。丸呑みする猫に、どう与えるか丸呑みされてしまうと、こする効果は消えます。次の順で試してみてください。 手で持って、端だけをくわえさせる。持っている間は飲み込めません。 横向きに差し出し、奥歯で受け取らせる。前歯だけで受け取ると、そのまま飲み込まれます。 空腹すぎるタイミングを避ける。食事の直後より、食間のほうが落ち着いて噛みます。 それでも飲み込むなら、噛む時間の長いおもちゃ型に切り替える。 噛む時間を伸ばす方向で考えるなら、おやつではなくおもちゃ側で解決する手もあります。どこまで期待できるかは 猫が噛んでいいおもちゃ|デンタル効果のあるものとないもの にまとめています。歯みがきと併用すると、どうなるかおやつは歯みがきの代わりにはなりませんが、入口としては役に立ちます。口の周りを触られること自体に慣れていない猫では、おやつを手で持って与える時間が、そのまま口元に触る練習になります。実際の進め方は、おやつを持つ手と反対の手で、頬をそっと触るところから始めます。これが嫌がられなくなったら、指、次にシート、最後にブラシ、という順です。段階の踏み方は 猫の歯磨きのやり方 で詳しく書いています。逆に、おやつだけを続けて歯みがきに進まないと、数か月後には歯石が増えて、結局は病院での処置になります。おやつは時間を稼ぐ手段であって、ゴールではありません。買う前に確認することパッケージで確認したいのは、次の四点です。...
猫の歯磨きのやり方|口を開けさせる順番と、シートから始める方法
歯ブラシを口元に近づけた瞬間、猫が顔をそむけて腕の下から抜け出していく。三日続けて同じことが起き、歯ブラシは引き出しの奥に入ったまま——歯磨きでつまずく方の多くが、この「最初の一回」で止まっています。調べても「奥歯の外側を磨く」としか書かれておらず、口を開けてくれない猫にどう近づくかは出てきません。 先に結論を書きます。猫の歯磨きは、歯ブラシから始めないのが正解です。口のまわりを触る→ガーゼやシートで歯の表面をなぞる→歯ブラシ、という順番で数週間かけて慣らすと、成功率がはっきり変わります。順番を飛ばして歯ブラシを口に入れようとするのが、もっともよくある失敗です。 なぜ「順番」を飛ばすと失敗するのか 猫の口の中は、体のなかでもとくに敏感な場所です。ひげの根元から口角にかけては神経が密に通っていて、硬いものをいきなり差し込まれると、痛みがなくても強い不快感になります。一度「口を触られる=嫌なことが起きる」と覚えると、その記憶は歯ブラシだけでなく、顔に手が伸びること全体に広がります。 逆に言えば、少しずつ範囲を広げれば猫は口を触られること自体には慣れます。大事なのは、慣らす期間を「数日」ではなく「数週間」で見積もることです。焦った分だけ後戻りが大きくなります。一日一分でよいので、猫が嫌がる手前で必ず終わらせてください。 用意するもの|歯ブラシ・シート・ガーゼ・綿棒の違い 道具は「どこまでの汚れを落とせるか」で選び分けます。落とせる範囲が広い道具ほど、猫が受け入れるまでの段階も後ろになります。 道具 落とせる汚れ 向いている段階 注意点 ガーゼ 歯の表面の歯垢 導入 固く絞る。指を噛まれやすい デンタルシート 歯の表面の歯垢 導入〜中間 指に巻く。奥歯に届きにくい 綿棒 前歯まわりの狭い部分 部分磨き 奥歯には届かない 指サック型ブラシ 表面と歯の溝の入口 中間 噛まれると痛い 猫用歯ブラシ 歯と歯ぐきの境目 仕上げ...
猫の歯磨きのやり方|口を開けさせる順番と、シートから始める方法
歯ブラシを口元に近づけた瞬間、猫が顔をそむけて腕の下から抜け出していく。三日続けて同じことが起き、歯ブラシは引き出しの奥に入ったまま——歯磨きでつまずく方の多くが、この「最初の一回」で止まっています。調べても「奥歯の外側を磨く」としか書かれておらず、口を開けてくれない猫にどう近づくかは出てきません。 先に結論を書きます。猫の歯磨きは、歯ブラシから始めないのが正解です。口のまわりを触る→ガーゼやシートで歯の表面をなぞる→歯ブラシ、という順番で数週間かけて慣らすと、成功率がはっきり変わります。順番を飛ばして歯ブラシを口に入れようとするのが、もっともよくある失敗です。 なぜ「順番」を飛ばすと失敗するのか 猫の口の中は、体のなかでもとくに敏感な場所です。ひげの根元から口角にかけては神経が密に通っていて、硬いものをいきなり差し込まれると、痛みがなくても強い不快感になります。一度「口を触られる=嫌なことが起きる」と覚えると、その記憶は歯ブラシだけでなく、顔に手が伸びること全体に広がります。 逆に言えば、少しずつ範囲を広げれば猫は口を触られること自体には慣れます。大事なのは、慣らす期間を「数日」ではなく「数週間」で見積もることです。焦った分だけ後戻りが大きくなります。一日一分でよいので、猫が嫌がる手前で必ず終わらせてください。 用意するもの|歯ブラシ・シート・ガーゼ・綿棒の違い 道具は「どこまでの汚れを落とせるか」で選び分けます。落とせる範囲が広い道具ほど、猫が受け入れるまでの段階も後ろになります。 道具 落とせる汚れ 向いている段階 注意点 ガーゼ 歯の表面の歯垢 導入 固く絞る。指を噛まれやすい デンタルシート 歯の表面の歯垢 導入〜中間 指に巻く。奥歯に届きにくい 綿棒 前歯まわりの狭い部分 部分磨き 奥歯には届かない 指サック型ブラシ 表面と歯の溝の入口 中間 噛まれると痛い 猫用歯ブラシ 歯と歯ぐきの境目 仕上げ...
猫の深爪で血が出たら|止血の手順と、次から深爪しない切り方
爪切りの最中に猫が急に動いて、パチンと切った瞬間に赤いものが見えた。猫は手を引っこめて、少し離れたところで自分の前足をなめている。床に点々と赤い跡がついている——爪切りに慣れていない時期は、多くの飼い主さんが一度は通る場面です。 先に結論を書きます。猫の深爪による出血は、清潔なガーゼで数十秒しっかり押さえれば、ほとんどの場合その場で止まります。あわてて洗い流したり、消毒液をかけたりする方が、かえって血が止まりにくくなります。 血が出たときに、まずやること 優先順位は「猫を落ち着かせる」「出血部位を確認する」「圧迫する」の順です。人があわてると猫もパニックになり、押さえるのが難しくなります。 猫を無理に抱え込まず、まず自分が深呼吸する 猫が暴れているなら、いったん自由にして落ち着くのを待つ 落ち着いたら、出血しているのがどの爪か確認する 清潔なガーゼかティッシュを爪先に当て、指でしっかり押さえる 血をふき取ろうとして何度もガーゼを離すのが、いちばんよくある失敗です。固まりかけたものが毎回はがれて、止血が振り出しに戻ります。当てたら離さない、が原則です。 止血の手順 市販のペット用止血剤(粉末タイプ)がある場合は、これを使うのがいちばん早い方法です。 粉を小皿に少量出す 出血している爪先を、粉に軽く押しつける そのまま三十秒ほど押さえる 離して、にじみ出てこないか確認する 粉をふりかけるのではなく、爪を粉に押しつけるのがコツです。ふりかけるだけだと、粉が傷口に密着せず流れてしまいます。 止血剤がない場合 家にあるもので代用できます。片栗粉、小麦粉、コーンスターチのいずれかを、止血剤と同じ要領で爪先に押しつけてください。専用品ほどの速さはありませんが、日常的な深爪の出血ならこれで足ります。 石けんの角に爪を押し当てる方法も知られています。ただし香料入りのものは避けてください。何も手元にない場合は、ガーゼによる圧迫だけでも構いません。 どのくらいで血は止まるのか 圧迫を始めてから、目安として一分から三分ほどで止まります。押さえている間は、猫が気になってなめに来ないよう、そっと声をかけながら押さえておきます。 止まった後は、その日はできるだけ静かに過ごさせてください。走り回ったり、爪とぎを強くしたりすると、かさぶたが取れて再出血することがあります。トイレの砂が傷口につくのも避けたいので、可能ならその日はこまめに砂をきれいにしておきます。 深爪はなぜ起きるのか 猫の爪の内側には、血管と神経が通っている部分があります。この部分は爪の根元から先に向かって伸びていて、外から見るとうっすらとピンク色の三角形に見えます。深爪とは、この三角形の先端より内側を切ってしまった状態です。 つまり、切る位置の問題ではなく、血管がどこまで来ているかを見誤ったことが原因です。爪の伸び具合によって血管の位置も前後するので、「いつも同じ長さで切る」という覚え方は危険です。毎回見て判断する必要があります。 爪の色別・血管の見え方 猫の爪は基本的に半透明ですが、色素の入り方には個体差があります。 爪の状態 血管の見え方 切る位置の目安...
猫の深爪で血が出たら|止血の手順と、次から深爪しない切り方
爪切りの最中に猫が急に動いて、パチンと切った瞬間に赤いものが見えた。猫は手を引っこめて、少し離れたところで自分の前足をなめている。床に点々と赤い跡がついている——爪切りに慣れていない時期は、多くの飼い主さんが一度は通る場面です。 先に結論を書きます。猫の深爪による出血は、清潔なガーゼで数十秒しっかり押さえれば、ほとんどの場合その場で止まります。あわてて洗い流したり、消毒液をかけたりする方が、かえって血が止まりにくくなります。 血が出たときに、まずやること 優先順位は「猫を落ち着かせる」「出血部位を確認する」「圧迫する」の順です。人があわてると猫もパニックになり、押さえるのが難しくなります。 猫を無理に抱え込まず、まず自分が深呼吸する 猫が暴れているなら、いったん自由にして落ち着くのを待つ 落ち着いたら、出血しているのがどの爪か確認する 清潔なガーゼかティッシュを爪先に当て、指でしっかり押さえる 血をふき取ろうとして何度もガーゼを離すのが、いちばんよくある失敗です。固まりかけたものが毎回はがれて、止血が振り出しに戻ります。当てたら離さない、が原則です。 止血の手順 市販のペット用止血剤(粉末タイプ)がある場合は、これを使うのがいちばん早い方法です。 粉を小皿に少量出す 出血している爪先を、粉に軽く押しつける そのまま三十秒ほど押さえる 離して、にじみ出てこないか確認する 粉をふりかけるのではなく、爪を粉に押しつけるのがコツです。ふりかけるだけだと、粉が傷口に密着せず流れてしまいます。 止血剤がない場合 家にあるもので代用できます。片栗粉、小麦粉、コーンスターチのいずれかを、止血剤と同じ要領で爪先に押しつけてください。専用品ほどの速さはありませんが、日常的な深爪の出血ならこれで足ります。 石けんの角に爪を押し当てる方法も知られています。ただし香料入りのものは避けてください。何も手元にない場合は、ガーゼによる圧迫だけでも構いません。 どのくらいで血は止まるのか 圧迫を始めてから、目安として一分から三分ほどで止まります。押さえている間は、猫が気になってなめに来ないよう、そっと声をかけながら押さえておきます。 止まった後は、その日はできるだけ静かに過ごさせてください。走り回ったり、爪とぎを強くしたりすると、かさぶたが取れて再出血することがあります。トイレの砂が傷口につくのも避けたいので、可能ならその日はこまめに砂をきれいにしておきます。 深爪はなぜ起きるのか 猫の爪の内側には、血管と神経が通っている部分があります。この部分は爪の根元から先に向かって伸びていて、外から見るとうっすらとピンク色の三角形に見えます。深爪とは、この三角形の先端より内側を切ってしまった状態です。 つまり、切る位置の問題ではなく、血管がどこまで来ているかを見誤ったことが原因です。爪の伸び具合によって血管の位置も前後するので、「いつも同じ長さで切る」という覚え方は危険です。毎回見て判断する必要があります。 爪の色別・血管の見え方 猫の爪は基本的に半透明ですが、色素の入り方には個体差があります。 爪の状態 血管の見え方 切る位置の目安...
猫の口臭が気になる|原因の切り分けと受診の目安
近づくと臭う。あくびをしたときに顔をそむけてしまう。でも元気だし食べているから、様子を見てしまう。この「元気だから大丈夫」が、いちばん多い判断ミスです。 先に結論を書きます。猫の口臭のほとんどは、歯周病を含む口の中の問題です。フードのにおいや加齢のせいにできるケースは、実はそう多くありません。そして口の中の問題は、放っておいて自然に治ることがありません。 まず、においの種類で見当がつきます においの特徴 考えられること 生ゴミのような、腐敗臭 歯周病・歯肉炎など口の中の問題。いちばん多い アンモニア臭、尿のようなにおい 腎臓の問題が背景にあることがある 甘い、果物や除光液のようなにおい 糖尿病に関連することがある 片側だけ強く臭う その側の歯や口の中に原因があることが多い 下の3つに心当たりがある場合は、この記事を読み進めるより先に動物病院にご相談ください。口臭が全身の状態を反映していることがあります。ここから先は、いちばん多い1つめを前提に書きます。 「口が臭い」は、すでに進行のサインです 歯垢は数日で歯石に変わり、歯石になると歯みがきでは取れません。においが人に分かるようになった段階では、歯ぐきの炎症がある程度進んでいることが多いと考えたほうが安全です。 ここで知っておいてほしいのは、猫は口が痛くても食べるということです。食欲があることは、口の中が健康である証拠にはなりません。「食べているから大丈夫」は、猫では成り立ちにくい理屈です。 家で見られる範囲のチェック 無理に押さえてまで見る必要はありません。唇をそっとめくって、奥歯の外側だけで十分な情報が取れます。 歯ぐきの境目が赤い線になっていないか。ここが最初に出ます 奥歯に茶色や黄色の付着物がないか。それが歯石です よだれが増えていないか。口の痛みで出ることがあります フードを口からこぼす、片側だけで噫んでいないか 顔を触られるのを急に嫌がるようになっていないか 嫌がったらすぐやめてください。ここで無理をすると、あとの歯みがきが一生できなくなります。 今日からできること、できないこと 正直に線を引きます。 すでにある歯石は、家では取れません。硬く付着しているので、削り落とすのは動物病院の処置です 人用の歯みがき粉は使わないでください。猫は飲み込みます 家でできるのは「これ以上増やさないこと」だけです。それでも十分に価値があります...
猫の口臭が気になる|原因の切り分けと受診の目安
近づくと臭う。あくびをしたときに顔をそむけてしまう。でも元気だし食べているから、様子を見てしまう。この「元気だから大丈夫」が、いちばん多い判断ミスです。 先に結論を書きます。猫の口臭のほとんどは、歯周病を含む口の中の問題です。フードのにおいや加齢のせいにできるケースは、実はそう多くありません。そして口の中の問題は、放っておいて自然に治ることがありません。 まず、においの種類で見当がつきます においの特徴 考えられること 生ゴミのような、腐敗臭 歯周病・歯肉炎など口の中の問題。いちばん多い アンモニア臭、尿のようなにおい 腎臓の問題が背景にあることがある 甘い、果物や除光液のようなにおい 糖尿病に関連することがある 片側だけ強く臭う その側の歯や口の中に原因があることが多い 下の3つに心当たりがある場合は、この記事を読み進めるより先に動物病院にご相談ください。口臭が全身の状態を反映していることがあります。ここから先は、いちばん多い1つめを前提に書きます。 「口が臭い」は、すでに進行のサインです 歯垢は数日で歯石に変わり、歯石になると歯みがきでは取れません。においが人に分かるようになった段階では、歯ぐきの炎症がある程度進んでいることが多いと考えたほうが安全です。 ここで知っておいてほしいのは、猫は口が痛くても食べるということです。食欲があることは、口の中が健康である証拠にはなりません。「食べているから大丈夫」は、猫では成り立ちにくい理屈です。 家で見られる範囲のチェック 無理に押さえてまで見る必要はありません。唇をそっとめくって、奥歯の外側だけで十分な情報が取れます。 歯ぐきの境目が赤い線になっていないか。ここが最初に出ます 奥歯に茶色や黄色の付着物がないか。それが歯石です よだれが増えていないか。口の痛みで出ることがあります フードを口からこぼす、片側だけで噫んでいないか 顔を触られるのを急に嫌がるようになっていないか 嫌がったらすぐやめてください。ここで無理をすると、あとの歯みがきが一生できなくなります。 今日からできること、できないこと 正直に線を引きます。 すでにある歯石は、家では取れません。硬く付着しているので、削り落とすのは動物病院の処置です 人用の歯みがき粉は使わないでください。猫は飲み込みます 家でできるのは「これ以上増やさないこと」だけです。それでも十分に価値があります...